コラム

新たな外国人政策「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」について

その他2026.02.25

2026年(令和8年)1月23日、関係閣僚会議において、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」が取りまとめられました。
外国人技能実習生や特定技能を受け入れておられる企業様はもちろん、日常生活の中で非常に身近な存在になりつつある「外国人」たちに対する新たな国の方策について、重要な個所や留意点を中心に分かりやすく要約・解説します。

1. 基本的な考え方…「秩序」と「多様性」の両立

在留外国人数が過去最多の約396万人(令和7年6月時点)を更新し、社会の重要な構成員となる中、政府はこれまでの「受入れ環境整備」に加え、「秩序ある共生」を新たな重要テーマとして掲げました。
人手不足解消のための人材確保(多様性)を進めるとともに、制度の誤用・濫用やルール違反には厳正に対処することを明確化し、安全・安心な社会の実現を目指しています。

2. 国民の安全・安心のための取組(ルールの遵守・厳格化)

「秩序」を維持するため、出入国管理の厳格化とデジタル技術(DX)の活用を推進します。

日本版ESTA(JESTA)の導入
短期滞在者の情報を渡航前に審査する「電子渡航認証制度(JESTA)」について、令和10年度(2028年度)中の導入を目指し、システム開発を加速します。

在留カードとマイナンバーカードの一体化
令和8年(2026年)6月より、両方の機能を持つ「特定在留カード」の運用を開始し、利便性向上と行政の効率化を図ります。

永住許可の適正化・厳格化
永住者についても、公的義務(税や社会保険料など)の履行状況を適切に確認する仕組みを整備し、制度の適正な運用を徹底します。

「不法滞在者ゼロプラン」の推進
不法就労及び難民認定制度の誤用・濫用に対し、迅速な送還及び在留制限を進めます。
退去強制者の送還拒否問題については、関係国への働きかけを強化します。

医療費不払いへの対応
医療費不払い事案については、入国・在留審査における確認を強化するなど、必要な制度見直しを進めます。

3. 円滑な受入れと共生社会の実現(支援・環境整備)

外国人が日本社会の一員として能力を発揮できるよう、日本語教育や生活支援を拡充します。

「育成就労制度」への円滑な移行
技能実習制度に代わる育成就労制度の円滑な施行に向け、日本語能力向上支援や転籍ルールの整備等を進めます。

日本語教育の充実
子供への支援: 不就学の防止、就学前の初期支援強化(プレスクール)、学校での指導体制の拡充を進めます。(日本語指導教員の定数改善)。
労働者・生活者への支援: 認定日本語教育機関や登録日本語教員(国家資格)を活用し、質の高い日本語教育の機会確保を図ります。

相談体制・生活インフラ
一元的相談窓口: 地方公共団体に設置された相談窓口の機能を強化し、多言語対応やアウトリーチ型(訪問型)の支援をを推進します。
住居・金融: 外国人の入居を拒まない賃貸住宅の情報の周知や、銀行口座開設・携帯電話契約の円滑化に向けた環境整備を進めます。

4. 国土の適切な利用と管理

安全保障等の観点から、外国人による土地取得等の実態把握を進めます。

土地所有情報の透明化
不動産登記において国籍情報の保有を推進し、外国人による土地取得の実態(特に水源地や重要施設周辺)を正確に把握する仕組みを構築します。

マンション等の取引実態
投機的な取引による価格高騰への懸念を踏まえ、大都市圏を中心に外国人によるマンション購入の実態調査を継続します。

まとめ

本対応策は、外国人を「働き手」としてだけでなく、「生活者」として受け入れる基盤を整えるものであると同時に、ルールの遵守を求める姿勢も明確にしたものです。今後の外国人受入れ政策の方向性を示すものといえるでしょう。

参考:令和8年(2026年)1月23日 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する 関係閣僚会議

当組合では、外国人材に関する新たな制度や法令の施行・変更に関する情報を、分かりやすくお伝えするとともに、様々な疑問・質問を随時受け付けております。
外国人材に関することは、三愛友好交流協同組合までお気軽にお問い合わせください。